月別アーカイブ: 2020年10月

台湾に行きたい気持ちになったので台湾旅行記を書く – その2

前回はこちら https://lanieve.jp/archives/821

台湾に到着して、それから

台湾桃園国際空港は、台湾最大の国際空港で、中心地の台北から少しだけ離れた桃園市にある。市といっても、日本の市とはちょっと違って直轄市という、都道府県に近い存在だ(と思う)。台北の中心地にはもっと近い松山空港があるが、こちらの桃園空港のほうがだんぜん離着陸数は多く、日本でいう成田空港と羽田空港に近いかもしれない。(とはいえ最近は羽田の規模拡大によって少しイメージは遠くなりつつある。)乗ってきたPeachなどのLCCは、台北に行く場合必然とこの空港に着くことになる。

まだ誰も新型肺炎のことなど考えていない時期で、時間的にも旅客の多い時間だったらしく、入国審査には長蛇の列ができていた。インターネット依存の高い私は、待ち列で早速携帯電話のローミングをONにする。私の契約では、丸一日海外ローミングが無料で使用できるようだった。早速、アンテナマークの横に中華電信の文字が出て、日本ではないところにいるということに改めて実感を得ることになった。

入国審査では、機内で記入した入国カードとパスポートを提出して、指紋チェックが行われる。大した会話も行われず、本人確認をして通過。パスポートにはじめての入国スタンプを貰えた。Peachで到着した第1ターミナルは、第2ターミナルに比較してシンプルで地味なイメージがある。異国への入国感を味わいたいなら、エバーやチャイナエアに乗って、入境後にフォトスポットのある第2ターミナルでの到着をおすすめしたい。

荷物を受け取り、ゲート内の銀行で両替に並ぶ。ゲートを出た後に、さほど並んでいない銀行もあったのでそちらにすればよかったと小さな後悔。未経験の旅にはこういう細かい失敗はつきものである。ちなみに、台湾への旅行のときは日本で両替していくより現地で両替したほうがレートが良いとネットで知ったので、たぶんそうなんだと思う。

うろうろしつつ現地のSIMも購入。3日ネット利用し放題で1000円ほどで買える。
もう少し安いSIMもあるようだったが、エリアに不安があると嫌なのと、日本でいうソフバン程度のキャリアなんだろうという偏見で無難にメジャーどころの中華電信SIMを買った。
SIM利用料はめちゃくちゃ安く、日本国内もこれぐらいで使い放題なら良いのにと思ったが、きっと日本も海外利用者には優遇しているプランがあるんだろう。

さてこれから台北市街に向かうわけだが、桃園空港から台北へは「桃園機場捷運」という、MRTとも呼ぶ交通に乗って移動する。捷運(MRT)とは、日本で言うと地下鉄のような、とはいえ地下でないところも走るし新交通システムのような趣もあり、それなりに早い電車だ。ちなみに台湾では近頃各都市でこの捷運が流行っているらしく、次々と建設が進んでいる。
もちろんそれが唯一の手段ではなく、時間があれば路線バスやタクシー、マニアックなところでは新幹線に乗り継いで行く手もある。台湾の交通手段は比較的どこでも安く、何を選んでも値段はあまり変わらないだろう。

空港から捷運の駅は日本の都市空港がそうであるように直結している。駅の通路にさっそくCoco都可のタピオカスタンドがあり、台湾らしさを感じた。

券売機の前でうだうだしていると、ボランティアのおじちゃん様の、おそらく捷運の職員だと思うが、陽気でテンション高く購入の案内をしてくれた。台湾では、Suicaのようなチャージ型ICカードがいくつかあり、私はあらかじめ国内でメルカリで購入しておいたキャラクター柄の悠遊卡(EasyCard)を、同行者のM氏は券売機で購入し、チャージをして乗車をする。

捷運は台北に近づくまでは高架を走るため、しばらくは車窓の景色を楽しめる。着陸時からテンション上がりっぱなしの私は、車窓から見える建物や看板の文字などを見ながら「すごい、すごい」を連呼するバグ状態になっていた。ふと車内を見ると、捷運の案内モニターにもWindowsのエラーダイアログが表示されたままになっていた。おおらかな国である。しばらくすると、路線は地下に入り、終点の台北車站に到着した。

(続く)

台湾に行きたい気持ちになったので台湾旅行記を書く – その1

2020年4月、3度めの台湾旅行に行く準備をしていた。私にとっては3度目の海外旅行でもある。想像に難くないと思うが、その予定は流れてしまった。また次行きゃいいんすよ、そんなノリでひと月、そして半年が経過した。

相変わらずまだ海外に行けない日々は続いているし、早くても今年いっぱいは無理だろう。それどころか来年すらしばらく難しいかもしれない。来年には延期されたオリンピックも開催するらしいが、きっとそれも絵空事に終わってしまうと思う。

半年が経ってようやく国内の旅行へは様子を見つつ行けるようにはなってきたが、まだまだ閉塞感は強く、日に日に台湾への思いは募るばかりだ。また台湾へ行く日を夢見て続けている中国語学習も、台湾で活動するYouTuberの動画もその気持ばかりはやらせる。

ここいらでひとつなにか消化するものをと、2度だけ行った台湾旅行の体験を書いていこうと思う。

準備とか経緯とか

その1度目の旅行は2019年11月だが、その頃私は同人サークル内の友人とよくあちこち回り、半分撮影旅行のようなものを頻繁にするようになっていて、自然な流れで台湾に行きたいですね、という話になった。前述のとおり私にとって海外旅行は初めての経験だったので、半年ほど前から準備を進めていたと記憶している。

実はその8年前、台湾に行く計画はあった。諸々由あってその計画は流れてしまったのだが、そのときにパスポートは取得していて、果たしてそのまま使えると思ったのだが、若かったのもあり手数料をケチった5年パスポートは綺麗に期限が切れており、またパスポートを発行しに行く羽目になってしまった。前回パスポートを発行したときと時代は少しだけ違って、県内の中心地にあるパスポートセンターではなく最寄りの市役所で取得できるようになっており、どうでもいいところで進歩を感じた。

パスポートを入手した頃から計画は具体化し、まず自由度の関係からツアーではなく個人計画の旅行で行くこととし、同行者のM氏と往復の交通手段や宿泊地を決める段となった。結果としてその判断は良かったと思うが、M氏には初の海外なのにツアーじゃなくて普通に個人旅行選ぶのちょっとびっくりした、と言われた。自分達で決められない旅行とか面白くないじゃないですか。

基本的に台湾に行くときは飛行機一択だと思うが、当時ふるさと納税でPeach Aviationの航空クーポンが泉佐野市で馬鹿に安く手に入ることができたというのがあり、それで行くことにした。予約時にはなんとかなると思っていたのだが、LCCのPeachで片道4時間近くの度は厳しい。尻が割れる。帰国後、M氏とLCCはもうやめようということで固い一致を見た。

今回は台湾は台北と定番の観光地である九份に行くことにして、台北では小綺麗なシティホテルを、九份では1軒家タイプの民宿をそれぞれBooking.comとagodaで予約した。台北のホテルは完成して間もないようで、ストリートビューで検索したら建設中の様子が写っていた。九份へは台北から日帰りで行くこともできるのだけど、超人気観光地なだけあり日中の人混みは半端ないということを事前調査で知り、九份で民宿に宿泊すれば日帰り観光客が撤収したあとの静かな九份を楽しめる、とのことだったのでそのようにすることにした。宿の様子は当日の話で後述しようと思う。

台湾の基礎知識なども一応仕入れていった。
まだその時は台湾にハマっても居なかったので、ネットの旅行記や空港での手続きの流れなどを一通り調べた程度。ごはんもだいたい食べたいものだけ探しておいた程度だったと思う。

最低限言葉も覚えておかないととは思ったんだと思う、でもモチベーションがそこまでなかったので「洗手間在哪裡?(トイレはどこですか?)」「一路平安!(道中ご安全に!)」だけ覚えていった。今思えば声調もメチャクチャだし、トイレはどこですか?に至っては結局最後まで使わなかった。一路平安!はUberの運転手の兄ちゃんに降りしなに言ってみたらちょっと考えたのち、あぁ!と言われて笑顔でお別れすることができた。発音は大事です。

当日は確か羽田空港まで車で向かって、空港の駐車場に停めた。LCCなので、とにかく朝が早い。初めての海外で心配なのもあり、自宅は深夜1時半に出発した。朝早い便で移動すると現地で過ごす時間が長くなるというメリットは有るが、この歳になると朝が早すぎると確実に後の行程に響く。若くて体力が有り余っているならいいが、あまりおすすめはしない。

出国手続きは特にスムーズに進んだような、同行者のM氏が荷物かなにかで躓いていたような気もするが、最終的に問題なく飛行機に搭乗することができた。

はじめにも書いたがLCCの座席幅はつらい。Peachは機内インターネットもないので、なにかしら本を読んだりオフラインゲームをするなどして時間をつぶすか、もしくは寝るしかない。着陸する頃には体はぼろぼろになっている。

しばらく海の上を飛んでいたが、着陸のアナウンスが流れ、陸地が見えてくる。

疲れてはいたが、窓から見る景色に田畑のなかに沢山の池が見える。
地表に近づいてくると右側通行のバイクが見える。
見たことのない景色にだんだんテンションが上がってきた。

(続く)